葛飾北斎「新板浮絵富賀岡八幡宮之図」@2022年1月開催イベントにて

現在、都内で同時開催中のサントリー美術館「大英博物館 北斎」と太田美術館「北斎とライバルたち」を鑑賞してきました。

今までに3回、浮世絵のイベントを開催させていただいたこともあり、浮世絵展には足を運んでいます。古美術ど素人なりに日々、勉強中です。

サントリー美術館「大英博物館 北斎」

葛飾北斎の代表作 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」

大英博物館の目玉は誰でも一度は見たことであろう、「荒波と富士山の絵」

西洋の顔料プリシアンブルーを入手した北斎の藍色の海原が美しいこと、美しいこと。やはり微妙な版画ならではのグラデーションは肉眼でしか体感できません。

私自身がその場いて、目の前にその光景が広がっているように錯覚させるダイナミックさで、洗練された構図にうっとりするばかり。

西洋の遠近法や透視図の技法を一部巧みに取り入れた北斎。江戸時代に西洋の顔料や画法をいち早く積極的に取り入れ、モネ、ドガ、ゴッホら印象派の画家たちにも影響を与えた北斎。現在でも世界中に愛されている理由がわかります。

太田美術館「北斎とライバルたち」

こちらは浮世絵専門の美術館で「浮世絵とは・・・」からはじまり、浮世絵の基礎知識がパネル表示されていて、館内を一周する頃にはかなり勉強になっているので、浮世絵初心者におすすめです。

冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」をはじめ、大英博物館展と同じ北斎の代表作をゆっくり鑑賞できました。浮世絵の版画は同じ作品を同時に別の場所で楽しめるのが醍醐味。同じ作品でも状態が違うので見比べてみると面白いですよ。

本題の北斎のライバルたちー

北斎が描いた景観を、歌川国芳や歌川広重などが同じ景観を描いたものが並んでいて鑑賞できます。同じ題材なのに、構図やアングルが違っていて、画家の個性が出るので面白い。

北斎は作品のダイナミックさを優先させ、空想を織り交ぜた風景画

国芳は北斎とは違ったアングルと構図で描く

広重はあるがままの風景を素直に描いている

といった感想でした。

久しぶりのブログ更新となり、長文になってしまいました。また、アート関連の記事を気まぐれに書いていこうと思います!